海賊王霍去病―ドラゴン・ブレイド―

 4月が近づいてきて、授業で取り上げる古代のものを何か観ておこうかと思った。私が観ているのは中世近世に偏っている。

 本当はジェラルド・バトラー主演『覇王伝 アッティラ Attila』を観たいのだが、Amazonプライムビデオで見つからない。仕方ないのでDVDを買おうと探しているとアッティラの『歴史群像』表紙ぽい肖像画付きの黒い長袖Tシャツを見つけるがそれをポチるのは我慢する。
 Amazonプライムビデオには『バーバリアンズ ライジング〜ローマ帝国に反逆した戦士たち〜 Barbarians Rising』(2017)というシリーズものがあり、そのシーズン8がアッティラを取り上げているので、また観なくてはならない。試みに「冒頓単于」はないかな、と思って検索するが出てこない。やったら面白いのに。留学中に観ていた中国ドラマ『漢武大帝』もない。インディアンみたいな羽を頭につけた匈奴が出てきて面白かったのに。『解憂〜西域に嫁いだ姫君〜』は武帝のとき烏孫に嫁ぐ公主の話で匈奴も出てくるらしく興味引かれるが、エピソード28まであってしんどい。
 そこで、『ドラゴン・ブレイド 天將雄師 Dragon Blade』(2015年、香港・中国、李仁港監督)を見つける。一回観たことあって、霍去病が『ワンピース』の伝説の海賊王ゴール・D・ロジャーみたいな位置づけだったというのは微かに記憶に残っている。改めて冒頭だけ観てびっくりした。ローマ軍の一隊が戦争中に忽然と姿を消し、それがシルクロードを旅して中国までやってきた、その「史実」をもとにした物語である、と言うのだ。
 ググってみると、甘粛省の者来塞村の人々がローマ人の子孫だという話になってるらしいのだ。よく分からないがDNA分析でヨーロッパと繋がると言っても、中央アジアにはもともといわゆるコーカソイドが住んでいたのだし、何故ローマだといえるのか。これは唾つけすぎて眉なくなりそう。
 しかも、観直す前からケチをつけて恐縮なのだが、事実を元にした本当の話です的な、安い感動秘話再現ドラマ感がすごくする。『Fukushima50』のトモダチ作戦のような国境を超えた友情ものが、もう感動の押し売りみたい。しかも大御所を主演に据える鼻息の荒さ、国策映画臭が、すごい。(2022年3月9日投稿より改訂)

やあ、ドラゴン・ブレイド(字幕版)を観ているよ。Prime Videoを今すぐチェックする https://watch.amazon.co.jp/detail...


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