空海、似てるw―空海-KU-KAI-美しき王妃の謎―

 『空海-KU-KAI- 美しき王妃の謎 妖猫伝 Legend of the Demon Cat』(2017年、日中、チェン・カイコー監督)。Amazonプライムであと少しで見れなくなるので途中まで観てみた。夢枕獏『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』を北京冬季オリパラ開閉会式も演出した巨匠チェン・カイコーが映画化した。くるくる飛ばないツイハークの判事ディー・シリーズ的な雰囲気の作品。『さらば、わが愛 覇王別姫』『花の生涯 梅蘭芳』『始皇帝暗殺』のイメージからは想像できないが、よく考えたら『PROMISE』もこの監督だったと考えると納得した。

 おっさん声で人語を話す黒猫が奇怪な事件を巻き起こす。玄宗の怪死にもこの猫が関わっているらしい。多分その謎を最後に見事解き明かすのであろう染谷将大がディテクティブ空海を演じていて、いつもつるんでいる白居易(黃軒)と流暢な中国語で軽妙なやり取りで楽しませてくれる。阿部寛はまだ出てきてないがもしかして阿倍仲麻呂なのではないか。
 染谷将大は『麒麟がくる』のサイコ信長と『寄生獣』のインパクトが強すぎて、またとんでもない空海なのではないかと期待している。空海もある意味現実離れした感じだし、観ているうちにだんだん染谷空海ありかもと思えてきた。
 唐の都の映像美が素晴らしい。これはCGなのか、なんとなくツイハークの映画にも出てきそうな感じなので、そういうセット(映画村みたいな)どこかにあるのだろうか。唐代を描くとお約束のように出てくる妓館は、問題にはならないのだろうか。売春は下手したら死刑だったと思うが、禁止されてるものを映画ではええとこみたいな描き方するのはどうなんだろう。(2022年4月20日投稿)


追記
空海のセリフは吹き替えだと思ったが、実際に本人中国語で言っていたのか。でも本人版と吹き替え版とがあるのかも?

コメント

このブログの人気の投稿

歴史学とヒストリーカルチャー(その1)